時間 - 周波数分布は時系列データの分析の為の有効なツールです。 時系列データは、多くの場合、周波数が急速に変化するシグナルを含んでいます。フーリエ・スペクトル写真がこのようなシグナルデータの表示に非常に広く使われてきましたが、同時に高い時間的な周波数解像度を提供することができませんでした。
フーリエの後に開発されたもう一つの画像Wigner distributionは、スペクトル写真の解像度の問題は改善していますが、非線形な不要な効果が出てしまいます。
Johns Hpkins Applied Physics Laboratory (JHUAPL)のDr. Amir Najmiは、電磁気、音響データの取り扱いに最適化された処理方法を開発することに取り組んできました。同氏は、時間 - 周波数分析、急速に変化する周波数成分を持つシグナルの検知のツールとしてWigner distributionに興味を持ちました。
Wigner distributionのノンリニアな副生成分を減少させるソフトウエア的なカーネル関数の開発が大きな課題でした。
Najimi氏は、JHUAPLの前にはヒューストンのシェル石油で地震のイメージング技術の開発に従事していました。そして、新しい手法の開発を試みている開発者にとって、FORTRANによるプログラミングは非常に不便であることに気付きました。つまり、新しい手法の開発には、迅速なインプリメント、テスト、評価が要求されます。そして、プログラミングを自分で行うことはあまり現実的ではなく、その道の専門家に任せざるを得ないとあきらめていました。というのも、新しい手法を試み、プログラムをインプリメント、デバッグして結果を見るだけで数週間から数カ月掛かるからです。
新しいカーネル機能のテストに、Najimi氏は実験に基づく海洋データと各種のクジラのデジタル化された声の記録を利用しました。 クジラはその種類毎に異なったシグナルを発しており、これらのシグナルは広範、かつ急速に変化する複雑な周波数時系列データを構成しています。
収集データをWigner distributionと新しく開発されたカーネル機能をIDL上で処理することにより、Najimi氏は期待している画像を得ることができ、新しいアルゴリズムの有効性等を示すことができるようになりました。そして、優れたIDLの対話形式のプログラミング環境により、2次元多義性関数の画像を利用してのカーネル機能設計の為のプログラミングを可能としました。 単にクジラの声の観測だけでなく研究分野において重要な意味を持つ、同氏の言葉を借りれば実験的カーネルデザインと呼べる迅速なプロトタイプへの道を開きました。 これの応用例として、医学分野に於ける、薬物と患者の心電図、脳波図との関連についての研究などに適用できます。
Najimi氏は、IDLの大きなデータセットの取込みと処理機能、及びその結果の可視化機能により、 ソフトウエア側の制限が、彼のアイディアや努力を無駄にすることなく、生かされることに自信を持てるようになりました。彼は、一つのプロジェクトで16GBものデータをIDLでタイムリーに処理した経験もあります。
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