■ 森林管理分野におけるENVIの利用

画像をクリックすると大きい画像が表示されます


森林に求められる多面的な機能

 従来、森林は木材生産源として、その経営の効率化を主な目的とした森林管理がなされてきました。しかしながら、近年の林業従事者減少や国産材の需要低迷などにより、日本国内における森林の管理状況は悪化しつつあります。一方、国際的に地球環境への関心が高まりつつあるなか、1997年には京都議定書が発効され、森林は地球環境における重要な要素の一つとして位置づけられることとなりました。このため森林に対して、木材生産としての機能以外にも、地球温暖化防止や水質浄化、水源かん養、土砂災害防止あるいはリクリエーションなど多面的な機能が求められるようになってきています。

森林管理システム

 森林管理システムに対しても、森林経営といった従来の機能に加え、森林の多面的な機能保全や整備など、あらたなニーズへの対応が求められています。このため、情報精度の向上や森林以外の多様なデータの蓄積、さらには他分野の様々なシステムとの連携などの機能が必要とされています。

森林GISと高度分解能衛星画像データの活用

 森林情報の高度化など、GIS*1を用いた森林管理システム(森林GIS)には大きな効果が期待され、全国的に整備が進められています。また、あらたなニーズへの対応として、精度向上や画像解析による多様なデータの収集が可能な「高度分解能衛星画像データ」の活用が期待されています。

岐阜県における森林GIS

 県土の約8割を森林が占める岐阜県では、早くから森林GISによる森林管理高度化への取組みが進められています。平成8年度より整備が着手され平成10年度には運用が開始されました。一方、平成12年度からは、県および県内の市町村を対象とした県域統合型GIS整備が開始され、これにともなう県内全域の高分解能衛星(IKONOS*2)画像データの整備も進められています。

高分解能衛星画像データ活用システム

 大日コンサルタントは、平成15年度に岐阜県からの委託*3により、森林GISに蓄積される情報の効率的かつ高精度な更新を目的とした「高分解能衛星画像データ活用システム」を開発、構築しました。
 開発したシステムは、豊橋技術科学大学および福井工業高等専門学校と衛星画像解析による樹種分類手法の共同研究*4を実施した結果をインプリメントしました。

システムの特徴

 本システムは「熟練した航空写真判読技術者のナレッジ」にもとづいた樹種判別を特徴としています。樹種ごとに、画像パターンにあわせた解析手法を選択するとともに、各種成育条件(地形高度、気象など)を総合的に判断し判別を行います。また、ディシジョンツリー法による樹種分類処理フローを採用し、画像解析的には似かよった樹種の誤判別を回避するシステムとしています。

ENVIの採用

 システムの開発にあたっては、画像解析手法の選択や生育条件によるフィルタリングなど、ディシジョンツリーによる複雑な処理フローを組み込む必要がありました。また、樹種分類に至るまでの多くの処理ステップを自動化し、だれでも効率的に操作可能なシステムが求められていました。
 このため、柔軟なカスタマイズが可能な処理言語IDL(The Interactive Data Language)を搭載するENVI(the Environment for Visualizing Images)をシステムのプラットフォームとして採用しました。

システムのおもな機能

  • 森林地域の抽出
  • 樹種分類(画像解析およびナレッジデータベース併用)
  • 画像解析結果の検証(現地調査結果GISデータ取り込み、精度管理表作成)
  • GISデータのインポート、エキスポート(森林GISデータなど)
  • ナレッジデータベースのメンテナンス
  • 処理フローのステップ単位実行とバッチ型一括実行
  • 画像処理パラメータの保存、呼出し
  • 樹種判別フローにおける各樹種の優先度変更

    システム導入による森林管理の高度化

     IKONOS画像を用いた本樹種分類システムは、広範囲にわたる樹種情報を効率的に検証、更新することが可能となり、森林簿(森林GIS)の精度向上がはかれます。
     また、森林域抽出機能により、崩壊地や裸地等の詳細な把握が可能となり、森林整備計画にも活用できます。

    システム導入による森林整備の評価

     IKONOS画像を用いた画像解析により森林の植生活性度を算出できます。このため、森林整備の効果に関する定量的な評価資料が作成可能です。また、IKONOS画像を蓄積することにより森林の時系列的な変化の抽出や整備効果の確認も可能となります。

    システムの概要はこちらをダウンロードしてください。
    (リーフレットのダウンロード(樹種分類システム))


    *1:GIS
    Geographic Information System(地理情報システム)
    *2:IKONOSデータ
    日本スペースイメージング株式会社(JSI)が販売する高分解能衛星画像データ
    *3:岐阜県
    平成15年度高分解能衛星画像データ活用システム開発委託業務
    岐阜県基盤整備部農山村政策課
    *4:共同研究
    国立大学法人豊橋技術科学大学 建設工学系
    河邑研究室
    独立行政法人国立高等専門学校機構 福井工業高等専門学校 環境都市工学科
    辻子研究室、辻野研究室

    問合せ先

    本システムに関するお問い合わせは下記までお願いいたします。

    大日コンサルタント株式会社
    担当部署:コンサルタント事業部 環境・水工部
    連絡担当者:渡邉、亀山、若原
    住所:〒500-8384 岐阜市薮田南3-1-21
    TEL:058-271-2509
    FAX:058-276-6418
    E-Mail: info@dainichi-consul.co.jp
    URL:http://www.dainichi-consul.com/



    閉じる