■ Wheeler Ridgeの謎(地質学におけるENVI事例)

大地が揺れ、あなたが必死で体を支えようとしている時、高層駐車場が瓦礫となって崩壊していく様を目の当たりにしているところを想像してみて下さい。または、複合的アパートが崩れてゆき、その中でどれぐらいの人が亡くなり、また生き残ることが出来るかを心に描いてみてください。

1994年1月17日、カリフォルニアのノースリッジで人々はマグニチュード6.7の地震でこのような恐怖を体験しました。その地震が終わるころには、57人の人々が亡くなり物質的なダメージは10億ドルにも達しました。この中程度の地震はアメリカではハリケーン・アンドルーに続いて2番目に大きな災害でした。詳細に研究され、また監視されていた地域であるロサンジェルス盆地においてさえ、地震を引き起こした断層は地震が発生するまでは知られていませんでした。

コロラド大学地質科学学部の構造地質学者であり教授助手であるカール ミューラー及び、大学院生アダム・ビレッキはWheeler Ridgeの形態をENVIを使って研究しています。Wheeler Ridgeの「幼年期」の表面(7000年前から125000年前)に関する分析は断層活動をさらに正確に且つ長期的に予測することに貢献するでしょう。このことは人口密集地域での破壊力のある地震の発生を予測するための良いモデルの開発へとつながります。

長い間地質学者の興味をそそったWheeler Ridgeの様相は、その北わき腹に沿って40キロ以上にも及ぶ連続したステップ状の段丘です。このテラス状の丘の起源を明白にすることは過去に発生した圧力型の地震によって変化した地表を理解するのに役立ち、そして将来の地震による地表変化の様子及びマグニチュードを予想することにもつながります。


ENVIによる高解像度データ分析

実地調査中にまとめられた情報に加えて、ミューラーおよびビレッキは、T-39ジェット飛行機に据え付けられたスキャニングレーザー高度計でNASAのRASCAL計器によって収集したリモートセンシングデータ(RAster SCanning Airborne Laser)を使用して調査を行いました。

RASCALはレーザーを1秒間に5000回発射し、地面から跳ね返って飛行機に戻ってくるまでの時間を記録することによって地球の表面100メートル幅の地図を作成します。

この飛行データは、飛行姿勢を示すセンサーおよびT-39の飛行経路を得るグローバル・ポジショニング・システム(GPS)により補正されます。その結果、正確で且つ緯度経度の情報が付加された、地表面の標高値及び飛行経路の位置情報が得られます。

飛行速度は秒速100mに維持され、地形データは各測定地点間で1.67mの解像度を持ちます。また+/-5cmの垂直方向の解像度を持ちます。この高解像度のリモートセンシングデータは従来までのソフトウェアパッケージによる解析には適さない、非常に大きなサイズのデータとなります。

RASCALが極めて高解像で且つ正確な情報を提供する事と裏腹に、そのデータサイズが極めて巨大になるにも関わらず、多くの研究者は高いレベルの正確さを持つレーザーベースのリモートセンシングデータを必要するでしょう。「ENVIは未来の流れです。」とビレッキは述べています。またENVIが巨大なサイズの地形データを容易に処理できることにも言及しています。 「もう1つの特徴はJPEG、GIF、TIFF、PICTなどといった幅広く使われている画像フォーマットに対応しているという点です。」

IDLによるデータのフォーマット

データ処理において、はじめに行うことは、補正されたRASCALデータをCPUで処理を行うに適した適度なサイズに分解することです。

この未処理のデータは、ビレッキがIDLで作成したルーチンにより計算されたグリッド間隔を使用してIDLのTRIANGULATE及びTRIGRID関数により処理されます。その結果、三角形分割された後、グリッド形式に補間された3ベクトルの配列(緯度、経度、標高)に変換されます。

褶曲生長の可視化

ミューラーは、「私達が研究のために必要とするすべてのアルゴリズムをENVIは備えています。それらは私達が高解像度データを分析するために実に有効でした。」と述べています。データは数種類の異なる形式で表示されます。色分けした等高線地図、グレースケールもしくは、カラーでの3次元表示、3D陰影起伏地図、そして細長く分割された画像等の表示機能を提供します。 「ENVIの地形モデリングは素晴らしい。シェードリーフ図、アスペクト図、スロープ図等の画像作成が可能であり、それらは段丘の創造過程に関して形態学に基づいた実用的な仮説検定を行う際に重要な要素です。」とビレッキは付け加えました。

ENVIでサポートされている等高線ルーチンでは3次元の立体画像に等高線を重ね合わせて表示することが可能です。また、値の範囲を表示したり、各等高線を簡単に識別するために色分けや、線種を変えて表示することができます。

Applying Earthquake Science in the Real World

地震科学を実世界に応用します

未来の地震への対応を計画している建築業者、都市計画者、土地活用マネージャー、そしてFEMAなどの連邦機関は皆ミューラーの研究から恩恵をうけることが出来ます。ミューラーは、どの地域でどの程度の破壊力を持つ地震が発生するかを指摘しながら、「断層がどれほどの速度で動くか、どの断層が活発で、どの断層が不活発なのか、また断層に沿った地震がどれほど大きいかを知ることが重要な点です。」と述べました。

ロサンゼルスだけでも、400以上の断層が存在し、その多くは表面上単なる活動層として表現されています。Wheeler Ridgeはロサンゼルスのような都会の密集地域における同様の特徴に適用されうる地形モデルの開発において理想的な自然の実験室を提供しています。

*IDLはRSI社の登録商標です。他の全ての製品および会社名はRSI社の所有物です。


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